プロフィール

椿 昇(つばき・のぼる)
1953年京都市生まれ 現代美術家/京都造形芸術大学美術工芸学科長
1989年:「アゲインスト・ネーチャー」展/1993年:「エマージェンシー」ベニスビエンナーレ・アペルト/2001年:「The Insect World」横浜トリエンナーレ/2003年:「国連少年」展、水戸芸術館個展/2005年:占領下の物語Ⅱ美術担当、マサチューセッツ工科大学レジデンス/2009年:「GOLD/WHITE/BLACK」展、京都国立近代美術館個展/2010年:瀬戸内国際芸術祭で2つのプロジェクト制作。2011年:「ノスタルジア」展、ソウル、上海。2012年「PREHISTORIC_PH」展、霧島アートの森個展。

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この国をあきらめた?

2012年11月20日


 

たぶん政治が理想的に行われたという時代はほとんど無かったのかもしれない。坂本龍馬とか勝海舟とかいろんな英雄もいるけれど、現実はベタでぱっとしない風景が広がっていたんじゃないか。戦国試合だってゲームのように立派なキャラクタが丁々発止していたのかといえば怪しいものだ。という具合に考えると今の平和な日本は、たいして悪かねえということなんだろう。だけど、ある日我に返って気がつくと、マレーの山奥やニューギニアのジャングルで自分の足が壊疽で腐ってゆくのを呆然と眺めたり、傷口に蛆が湧いているのを枯れ枝で掘り出しながら、12時間以内に自然に回収されちゃう日が再来するのかもしれないと思うとゾッとする。

現実問題としてガザもアレッポも突然鉄片に肉が抉られる毎日だし、福島で作業を続けてくれている人たちもすでに限界まで放射線を浴びてどうにもならないところに来ているはずだ。しかし、どう逆立ちしても、一生懸命言い聞かせても、想像力を200%に上昇させても、腐敗臭を感じたり、身体的に苦悶にさいなまれるビジョンには届かない。たぶん俺たちは、郊外のモールでショッピングしたり、ネットでFBしながら現実から逃げるために自分の感覚にアヘンを打ち込んでいるような気がする。とにもかくにも、2012年師走の気分はやるせない。赤穂浪士の討ち入りが14日で、しぶしぶソフトバンクがデザリングに応じるのが15日、原発推進党の同じ穴のムジナが形ばかりの三つ巴を演じる選挙が16日。何の関係も無いけどこの3日はシュールとしか言いようが無い。

そんなときに津田さんから「ウエブで政治を動かす!」という新書が送られて来た。著作権延長問題の審議会で知り合ってから、デモクラシーにつける薬は、これしかないと思いながら積極的行動を取らずに退避していたので、ちょいと横っ面を張られた思いがした。到来もののボージョレのコルクを緩め、食事も美味しいし紅葉も奇麗だし、市場があれば政治は不要だな~、イタリア人はいいこと言うよと思っていたけど、あきらめたら近い将来リアルな地獄がやって来るやもしれず、12月の16日は、投票行ってからデザリングどんな感じですか?って記事を読みつつ日本の未来考えることにします。