プロフィール

小崎 哲哉(おざき・てつや)
1955年、東京生まれ。
ウェブマガジン『REALTOKYO』及び『REALKYOTO』発行人兼編集長。
写真集『百年の愚行』などを企画編集し、アジア太平洋地域をカバーする現代アート雑誌『ART iT』を創刊した。
京都造形芸術大学大学院学術研究センター客員研究員、同大大学院講師。同志社大学講師。
あいちトリエンナーレ2013の舞台芸術統括プロデューサーも務める。

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キュレーターの言葉、アーティストの言葉、ダンサーの言葉

2013年03月02日

某月某日

ポートフォリオセッションvol.4HAPS。ちょっとしか見られなかったけれど、ゲストの片岡真実さん(森美術館チーフキュレーター)が、誠実に、事細かに、アーティストの意図を問い質してゆく。ものづくりをする人に自作の説明をする義務はないだろうが、プレゼンをする以上は明快な語彙を用いて、明晰に解説する必要がある。聞き手は真摯に、そして正確にその説明を受け取らなければならない。そんな当たり前のことが、当たり前に行われていた。

続いて、藤本由紀夫×佐藤充のアーティストトーク@京都造形芸術大学。佐藤君の荒れ球をすべて、藤本さんが丁寧に懇切に打ち返す。「入学試験を担当したとき、内申書だけ見て高校で欠席数が多い子ばかり採用した」「違う人がたくさんいるほうが面白い」「デザインは『発明』、アートは『発見』」など、藤本語録とも呼ぶべき名言が多数。一流のアーティストが繰り出す一流の会話に痺れる。

夕方は中村恩恵 Performance “Inner Garden”@京都アートセンター。ダンサーの中村とアーティストの泉イネが、家具を並べた会場で個々の家具から連想される「感情あるいは動きを喚起する動詞あるいは名詞」を募り、それを「お題」として即興の、あるいは直前のワークショップで作り上げた振りで、ダンスを構築してゆく。いきなり指名されてたじろぐが、古いランプから「読書に耽る」という「お題」を辛うじてひねり出した。それ以外に採用され、踊られたのは「遠すぎる、近すぎる」「(ソファに)座らないで」「よろこび」「立ちすくむ」などなど。左脳へのインプットを右脳からのアウトプットへ、軽々と変換するダンサーの能力と技量に驚嘆する。

言葉は多くの場合に無力だが、ときに暴力的に振る舞うこともある。有効に用いられると上に挙げたような素晴らしい効果をもたらす。この日曜日のトークでも、有意義で素敵な言葉がたくさん生まれればいいな。よかったら来て下さい。

REALKYOTO LIVE:アート&デザインとメディアをめぐる会話
出演:浅田彰+小崎哲哉+片岡真実+椿昇+宮永愛子
3/3(日)16:30-18:00@京都造形芸術大学 人間館1階特設ステージ