プロフィール

小崎 哲哉(おざき・てつや)
1955年、東京生まれ。
ウェブマガジン『REALTOKYO』及び『REALKYOTO』発行人兼編集長。
写真集『百年の愚行』などを企画編集し、アジア太平洋地域をカバーする現代アート雑誌『ART iT』を創刊した。
京都造形芸術大学大学院学術研究センター客員研究員、同大大学院講師。同志社大学講師。
あいちトリエンナーレ2013の舞台芸術統括プロデューサーも務める。

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舞台の2人、浜辺の2人、宴の2人

2013年03月04日
某月某日

森下スタジオで、ARICA公演『ネエアンタ』を観る。サミュエル・ベケットの『ねえジョウ』に触発されたという2人芝居。「踊らないダンス」を試みたという山崎広太と、「生き霊のような存在」だという安藤朋子が緊張感あふれる舞台を作り出していた。Womb(子宮)とTomb(墓)の間で、宙吊りのまま続くベケット的時空間。近々、REALTOKYOにレビューを書くつもりだ。

劇場近くのホテルに宿泊。翌日、深川不動に詣でた後、参道にある近為で十数年ぶりに早めの昼食(遅めの朝食?)を摂る。昔はテーブルの上の大皿に、食べ放題の漬け物が大量に盛られていたが、いまは漆の椀にひとり分ずつ盛られてくる(お代わり可)。鰆の粕漬け定食1,302円。おいしくて、二日酔いにもかかわらずご飯をお代わりする。


その後、神奈川県立近代美術館葉山に足を伸ばし、アントニー・ゴームリー「TWO TIMES—ふたつの時間」を観る。美術館裏の散策路に、海を見据える鉄製の彫刻が1体。振り返って仰ぎ見ると、屋上に、反対側、つまり山/陸地に対峙する彫刻が1体。作家と等身大の彫刻、それもたった2体が様々のことを想起させる。風が強く、空は晴れ渡っている。砂浜の彼方の海は、水平線がくっきりと見えるが波はやや高い。

 

東京に戻り、打ち合わせ後、友人の結婚パーティに出席。新郎は建築家、新婦は日本最大の舞台芸術祭のプログラムディレクター。というわけで、結婚式報告ビデオの説明をするふたり、特に新婦の語りが圧倒的に上手で、「プレゼンみたいだ」と会場大爆笑。芸術祭スタッフらによる進行もさすがの段取りで、気持ちのよい素敵な会だった。Nさん、Sさん、末永くお幸せに。