態度が形になるとき ―安齊重男による日本の70年代美術―


安齊重男《原口典之 1970年4月 こどもの国、神奈川》1970年 国立国際美術館蔵
© ANZAÏ



 
1970年1月、安齊重男は同世代の作家たちが生み出す一過性の作品を35ミリカメラで本格的に記録を取り始めた。画廊に木材、鉄板、綿、砂、パラフィン、粘土…等々、様々な材料を持ち込み、それらの材料をある状態に設置して作品化する一過性の表現は、展示が終了すると当然の如く消えて無に帰した。安齊は、交友関係のあった、李禹煥、関根伸夫、吉田克朗、小清水漸、菅木志雄、など後に「もの派」と呼ばれた作家たちの作品ばかりでなく、自らの嗅覚を信じて、そのような消えて無くなっていくタイプの作品を中心に撮影を始めたのである。

安齊が撮影を本格化したのは、1970年5月から東京都美術館で開催された「第10回日本国際美術展」いわゆる「東京ビエンナーレ‘70」の準備に参画し、参加アーティストたちの助手のような役割を担いながら、記録写真を撮り始めた頃からである。コミッショナーを新進美術評論家であった中原佑介が務め、ルチアーノ・ファブロ、ヤニス・クネリス、ソル・ルウィ ット、リチャード・セラ、ダニエル・ビュラン(ビュレンヌ)等の外国作家に加え、狗巻賢二、榎倉康二、小清水漸、高松次郎、成田克彦、野村仁等の国内作家を合わせ、総勢40名にも及んだ国際展であった。

東京ビエンナーレを構成するに際し中原が参照したと思われる展覧会に、後に多くの国際展を手掛けたハラルド・ゼーマンの企画によってスイス・ベルンで1969年に開催された「態度が形になるとき 作品―概念―過程―状況―情報」がある。本展にも用いたその展覧会のタイトルは、後に70年代の現代美術を体現する鮮烈な用語となった。

安齊はその後、国内の現代美術展を網羅するかのように積極的に撮影を続けて、1974年にはデンマーク・コペンハーゲンで開催された日本現代美術展を撮影するために渡欧し、海外にまでその視野と作家との関係を広げることになる。翌1975年には第9回パリ青年ビエンナーレの取材を国際交流基金から依頼された。その後も1978年にロックフェラー財団の奨学金を得てアメリカの現代美術にまで記録の対象を広げることになる。

本展は、70年代の日本の現代美術を撮り続けた安齊重男の行為を再検証する試みである。安齊の写真を丁寧に辿ることによって、戦後日本美術の変革期を再確認することになるだろう。さらに、当館のコレクションを中心に安齊が目撃した作家たちの作品を展示し、安齊のその行為を作品の側からも検証するものである。
 

安齊重男《村田高詩 1970年2月23日 こどもの国、神奈川》1970年 国立国際美術館蔵
© ANZAÏ



 
主催:国立国際美術館
協賛:ダイキン工業現代美術振興財団

 
 

【関連イベント】
安齊重男展 講演会「東京ビエンナーレ’70-神話を越えて」
講演会「東京ビエンナーレ’70-神話を超えて」
講師:峯村敏明(美術評論家、多摩美術大学名誉教授)
※11月3日(金・祝)14:00~/B1階 講堂
※参加無料、先着130名、当日、10:00より整理券配布

 
安齊重男展 ギャラリー・トーク
講師:中井康之(国立国際美術館 学芸課長)
※11月18日(土)14:00~、12月23日(土・祝)14:00~/B2階 展示室
※当日13:30 から聴講用ワイヤレス受信機を貸し出します。(先着90名)
※参加無料(要観覧券、ただし11月18日(土)は不要)

 
安齊重男展 講演会「菅木志雄のアクティヴェイションについて」
講演会「菅木志雄のアクティヴェイションについて」
講師:千葉成夫(美術評論家)
※12月9日(土)14:00~/B1階 講堂
※参加無料、先着130名、当日、10:00より整理券配布

 
 

(詳細はこちら 国立国際美術館

 

安齊重男《吉田克朗 1970年5月 東京画廊、東京》1970年 国立国際美術館蔵
© ANZAÏ



 


会場付加情報
住所
大阪市北区中之島4-2-55
アクセス
京阪中之島線「渡辺橋」駅(2番出口)より徒歩5分/地下鉄鉄四つ橋線「肥後橋」駅(3番出口)より徒歩10分/JR環状線「福島」駅またはJR東西線「新福島」駅(2番出口)より徒歩10分/地下鉄御堂筋線「淀屋橋」駅または京阪電車「淀屋橋」駅より徒歩15分/JR線「大阪」駅または阪急「梅田」駅より徒歩20分/
電話番号
06-6447-4680
日程
2017年10月28日(土)― 12月24日(日)
時間
10:00-17:00 ※金曜・土曜は20:00 まで(入場は閉館の30分前まで)
休日
月曜日
料金
一般 430円(220円) 大学生 130円(70円)
夜間割引料金(対象時間:金曜日・土曜日の17:00~20:00)一般250 円 大学生70円
※無料観覧日:2017年11月3日(金)、4日(土)、18日(土)、19日(日)、12月2日(土)
※( )内は20名以上の団体料金、高校生以下・18歳未満・65歳以上無料
※心身に障がいのある方とその付添者1名無料(証明できるものをご提示願います)
特記事項