ルイの9番目の人生


幼い頃から8度もの命に関わる事故に遭ってきた少年ルイ(エイダン・ロングワース)。生意気で掴みどころのない彼のキャラクターは、役を演じる少年の年齢(10歳)からも『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』(スティーブン・ダルドリー/2011年)の主人公オスカーを想起させる。ルイ9歳の誕生日、家族でピクニックに出かけた彼は崖から海に転落し、9度目の事故に見舞われる。昏睡状態に陥ったルイを担当する医師パスカル(ジェイミー・ドーナン)は、彼を目覚めさせるためルイの意識に訴えかけ続けるが、同時にパスカルの周囲で不審なことが起こりはじめる。少年ルイの語りではじまる本作は、そのあどけない語り口に反して彼とその家族の真相に迫るサスペンス作品だ。観客の不安と注目を煽る演出が随所になされ、いくつもの伏線が謎を喚起し、またルイのさ迷う「昏睡世界」に登場する海藻にまみれた不気味な男など、ホラーやミステリー、ファンタジーといった一面も併せ持っている。物語が一気に真相へ近づくラスト9分、我々はこの物語の最深部に、まるで昏睡状態に陥るかのように誘われるのだ。

北野貴裕

 


ルイの9番目の人生

(C)2015 Drax (Canada) Productions Inc./ Drax Films UK Limited.


 

少年の数奇な運命に隠された謎を解き明かす、極上の心理サスペンス

天使のように愛くるしい少年ルイ・ドラックスの人生は、まるで何かに呪われているようだった。出生からわずか8年間で生死の境をさまよう大事故を8度経験してきたルイは、9歳の誕生日に両親と一緒に海辺のピクニックに出かけ、断崖絶壁から転落するという9度目の悪夢に見舞われてしまったのだ。どうしてルイは、これほどまでに不運な星の下に生まれたのか。病院のベッドで眠り続ける彼の周囲で、奇妙な出来事が相次ぐのはなぜなのか。やがて、この小さな命を救おうと尽力する担当医パスカルは、あまりにも多くの謎をまとうルイの秘密を解き明かそうとするのだが……。
9年間で9度も死にかける少年を主人公にした衝撃的な設定、先読みをまったく許さないストーリー展開、巧妙に張り巡らされたいくつもの伏線、さらにクライマックスで明かされる驚愕の真実-。イギリス人作家リズ・ジェンセンの世界的なベストセラー小説に基づく『ルイの9番目の人生』は、人間の“心”というこの世で最もミステリアスな領域に踏み込み、観る者の胸のざわめきを誘ってやまないサスペンス映画である。
2008年に他界した『イングリッシュ・ペイシェント』のアカデミー賞監督アンソニー・ミンゲラが生前に映画化を熱望していた企画を、その遺志を継いだ息子のマックス・ミンゲラがプロデューサー兼脚本家として実現。フランスからハリウッドに進出し、ダニエル・ラドクリフ主演のダーク・ファンタジー『ホーンズ 容疑者と告白の角』などで斬新な映像感覚を発揮してきた鬼才アレクサンドル・アジャが、リアルな心理描写にめくるめく神秘的なイメージを溶け合わせ、極上のスリルとサプライズに満ちた映像世界を完成させた。
主人公の“眠れる美少年”ルイに扮するのは、何ヵ月にも及んだオーディションの末に発掘されたエイダン・ロングワース。あどけないルックスに反して、あらゆる観客を驚嘆させるであろう大人びた演技は、新たな天才子役の登場を強烈に印象づける。ルイを目覚めさせようと奮闘する医師パスカルを演じるのは、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』『フィフティ・シェイズ・ダーカー』で世界中を魅了した二枚目俳優ジェイミー・ドーナン。そしてデヴィッド・クローネンバーグ監督のミューズとして脚光を浴びた美しきカナダ人女優サラ・ガドン、TVシリーズ「ブレイキング・バッド」で絶賛を博した実力派俳優アーロン・ポールがルイの両親役で共演。謎だらけの少年の心に渦巻く深い“闇”と、そこに差し込むひとすじの“光”が鮮烈なコントラストを成すドラマを魅惑的なアンサンブルで体現している。

 
監督:アレクサンドル・アジャ
出演:ジェイミー・ドーナン、サラ・ガドン、エイダン・ロングワース、オリバー・プラット、モリー・パーカー
2016年、カナダ・イギリス合作、108分

 
(詳細はこちら 公式サイト

 
〈劇場情報〉2018.1/20〜
大阪ステーションシティシネマ 〜2/16
なんばパークスシネマ
MOVIX京都
神戸国際松竹 〜2/16

 

会場付加情報
住所
京都市中京区新京極三条下ル桜之町400
アクセス
阪急「河原町」駅より徒歩5分 京阪電車「三条」駅より徒歩5分 地下鉄東西線「市役所前」駅より徒歩5分
電話番号
075-254-3215
日程
時間
休日
料金
一般1800円 大・高校生1500円 中・小学生・幼児(3歳以上)1000円 60歳以上1000円
特記事項
毎月1日は1000円均一 毎週水曜日はレディースデイ1000円均一