search/サーチ


今や我々はインターネットなしで生きることはできない。個人情報、友人の連絡先、思い出も秘密もすべてデータで管理され、仕事も娯楽もネットで済ませられてしまう。現にこの記事だってネット媒体だ。『search/サーチ』はそんな現代、2018年を象徴する映画だといえる。
16歳の女子高生マーゴット(ミシェル・ラー)は、勉強会に出かけた夜を境に消息を絶つ。ただの家出か、事件に巻き込まれたのか。父親のデビッド(ジョン・チョー)は警察の捜査と並行して、娘のパソコンにログインしSNSのアカウントから彼女の手がかりを探っていく。LINEの履歴、生配信動画のアーカイブ、インスタグラムやtumblerに投稿された数々の写真――。しかしそこから明らかになるのは、デビットの知らない娘の一面ばかりだ。真相に近づいては遠ざかり、物語は二転三転する。そしてその一部始終が、本作ではパソコンの画面上のみで展開されていく。場面転換はニュース映像で、人物どうしの会話はフェイスタイム(ビデオ電話アプリ)で見せるというこの手法は、過去の偉大な映画監督たちには想像もできなかった新たな映像表現だ。
サスペンスの巨匠アルフレッド・ヒッチコックは、サスペンスとはいかに観客のエモーションをかきたてるかだと言っている。演出家の情報操作によって生み出される〝語り″のテクニックであると。なぜ我々は一台のパソコン画面でのみ演出された本作にかきたてられるのか。それは我々の情報が、ネット上に集約されることを知っているからだ。情報の断片を手繰れば、人を欺くことも、真実を炙りだすことも可能だと知っているからだ。情報操作は作り手の意図に留まらず、観客自身の中でも行なわれている。2018年、新たなサスペンスの手法の誕生に私は感動と驚きを禁じ得ない。

北野貴裕

 


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忽然と姿を消した16歳の女子高生マーゴット。行方不明事件として捜査が始まる。家出なのか、誘拐なのかわからないまま37時間が経過。娘の無事を信じる父デビッドは、彼女のPCにログインしSNSにアクセスを試みる。インスタグラム、フェイスブック、ツイッター・・・。そこに映し出されたのは、いつも明るく活発だったはずのマーゴットとはまるで別人の、自分の知らない娘の姿があった―。
 

監督:アニーシュ・チャガンティ
出演:ジョン・チョー、デブラ・メッシング、ジョセフ・リー、ミシェル・ラー
2018年/アメリカ/102分

 
(詳細はこちら 公式サイト

 
〈劇場情報〉2018.10/26〜
TOHOシネマズ梅田
TOHOシネマズなんば
T・ジョイ京都
TOHOシネマズ二条
OSシネマズミント神戸
TOHOシネマズ西宮OS

 

会場付加情報
住所
京都府京都市中京区西ノ京栂尾町1-6
アクセス
JR「二条」駅より徒歩2分
電話番号
050-6868-5035
日程
時間
休日
料金
特記事項