和本のひろがり


江戸時代に出版された様々なジャンルの本が、並んで面白い。国学者黒川春村らが編集した狂歌集の見開きのレイアウトが美しかった。上下2冊で表紙がつながる『犬の草紙』や農具の研究書『農具便利論』、マジック入門書など、次のページをめくりたいほどだ。この時代は、(活版ではなく)板に文章や絵を全部掘る版木による製版が隆盛した。本展でも一部展示してある。「版木」は財産であり、売却することもあったという。展示は1フロアでコンパクト、気軽に見られるのがいい。今回は個人蔵の出品物が半数ほど。無料だし、何かのついでに立ち寄るとトクした気分になると思う。烏丸三条あたりの物件地図「饅頭屋町文書」も36年ぶりの展示。「うなぎの寝床」と呼ばれる間口の狭い町家が並ぶ、その謎にも迫る。

福永信

 


和本のひろがり

 

和本とは日本でつくられた書物を指します。
江戸時代には、文字の読み書きができる階層が拡大し、人々は書物を通じて学問を学んだり、知識や情報を手に入れるようになります。
書物の出版が盛んになると、江戸時代を通じて版を重ねるような、いわゆるベストセラーやロングセラーも生み出されました。読者層に厚みが増すと、趣味の分野の書物や娯楽小説も数多く出版されるようになります。
また、和本は出版物だけでなく手書きの「写本」も数多くつくられています。
本展示では、江戸時代の書物をめぐる諸相を紹介します。

 
【会期】
 2019年2月8日(金)~4月23日(火)
 (休館日:月曜日・祝日)

【会場】
 京都市歴史資料館 1階展示室
 入館無料

 
〈主な展示品〉

新撰折句画譜(しんせんおりくがふ)


経典余師(けいてんよし)


農業全書(のうぎょうぜんしょ)
黒谷上人語燈録(くろだにしょうにんごとうろく)
醒酔笑(せいすいしょう)
当流雛形都染(とうりゅうひいながたみやこぞめ)
都鄙問答(とひもんどう)
永代節用無尽蔵(えいたいせつようむじんぞう)
昔語質屋庫(むかしがたりしちやのくら)
偐紫田舎源氏(にせむらさきいなかげんじ) 他

 
【展示解説】(学芸員が展示物を紹介しながら解説)
 2019年2月23日(土)、3月14日(木)、4月18日(木)
 *いずれも午後2時から30分程度で、事前申込は不要です。

 
(詳細はこちら 京都市歴史資料館

 

会場付加情報
住所
京都市上京区寺町通荒神口下る松蔭町138番地の1
アクセス
電話番号
075-241-4312
日程
時間
午前9時~午後5時
休日
月曜日、祝休日
料金
無料
特記事項
駐車場はございませんので、公共交通機関等を御利用ください。