読者の皆さんはじめまして。
KYOTO EXPERIMENTプログラム・ディレクターの橋本裕介です。
2010年に京都で初の国際舞台芸術フェスティバルとして誕生しました。
REALKYOTO編集長の小崎さんにも、アドバイザリー・ボードとして関わって頂いています。
さて、開催も迫ったKYOTO EXPERIMENTですが、その前に。
準備で慌ただしくしている事務所のメンバーを尻目に、8月下旬ドイツ方面に視察へ行ってきました。
カンプナーゲル外観(大きな建物の中に、大小6つほどのスペースがある)
まず初めは、ドイツ・ハンブルクのカンプナーゲルという劇場で行われていた、
「INTERNATIONALES SOMMER FESTIVAL HAMBURG 2012」。
以前は「ラオコーン演劇祭」と呼ばれており、2002年から3年間、批評家の鴻英良氏が芸術監督を務めていたので、ご存知の方も多いかと思います。
今回リミニ・プロトコルほか3本ほど観ましたが、Rosasの初期の代表作のひとつ「Elena’s Aria」を目撃出来たのは収穫でした。
最近のRosasは、いずれもアヴィニヨン演劇祭で発表した「En Atendant 」や「Cesena」を中心にツアーを行っていますが、
共同製作に加わった劇場との契約の関係で、ドイツ語圏ではそれらはまだ上演出来ないとのこと。
そのため、フェスティバル側は敢えて初期の「Elena’s Aria」を上演することにしたそうです。
この劇場に務めるダンス・ドラマトゥルクMelanie Zimmermannは、
昨年KYOTO EXPERIMENT2011で招聘したアーティスト「ヤニス・マンダフニス&ファブリス・マズリア」の
マネージャーとしても仕事をしていて、久しぶりに出会ってヤニスたちの今の活動ぶりも聞くことができました。
ドクメンタのショップ外観
次に訪れたのは、舞台芸術フェスティバルではなく、
カッセルで行われていた、5年に一度の現代美術の祭典「ドクメンタ」です。
あまりに日程がタイトで、1日しか滞在出来なかったので、
「見た」というにはあまりにも不十分でした。次回5年後にはせめて3泊ほどで予定を組みたいと思います。
私が注目した作品は、エジプトのアーティストWael Shawkyによる、人形劇で十字軍の物語を再現するヴィデオ作品「Cabaret Crusades」でした。
これは、2010年のエッセンで行われた「テアター・デア・ヴェルト」でも上演されていましたが、
あいにく当時は見逃していたので、ラッキーでした。
2010年の「テアター・デア・ヴェルト」といえば、東京の劇団ポツドールが海外公演デヴューを飾ったフェスティバルです。
それをきっかけに、ヨーロッパや北米へのツアーにつながり、彼らの活動の幅も広がりました。
そんな世界ツアーを経てブラッシュアップされた作品「夢の城」が、KYOTO EXPERIMENT2012に登場します。
ショップで販売されていたレインコート(キーホルダー状になって小さなボールに入っていて便利)
というわけで、KYOTO EXPERIMENT2012は9月22日から開幕です!
旅の続きは次回ご報告します。